ツールド東北2023その4(追分温泉を訪ねて) [自転車]
今回の「ツールド東北2023」はスマートなイベント運営で、前日受付とかもなく、当日に誓約書を出して、機材チェックしてOKという感じ。これはいい。
そんなことで、前日に観光ができるので、それはほんとにありがたい。
いつ頃からか、当日受けつけがダメで、前日受付が増えたが、当日の対応が大変なのと、できるだけ、前日には現地入りして、お金を地域に落としてほしいというのがあるのだろうが、今思うと、結局前日忙しいわけで、このツールド東北のやり方が、良いのだろうと感じる。なお、じろで庄内などは郵送物も少ないし、さらに良いと思っている…余談。
そういうことで、いつもならば、会場で前日受付をして、その後、石巻にはお宿が取れないので、多賀城とか大崎に取った宿に行ったり、また車中泊であれば、上品の郷に行ったりと、スケジュールは過密であったしね。
さてさて、時は遡りいっきに11年前・・・。
そう2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災、その後、私は4月16日に市の社会福祉協議会が有志を募り、先発隊を結成し、ボランティアと称し石巻を訪問していた。
旧北上川河口付近、たぶん、今の地図でいうと石巻市役所北上総合支所 北部地区ホームヘルパーセンター北上(石巻市北上町十三浜吉浜)あたりじゃないかと思う。
当時の惨状が下のブログに写真として載っているが、良ければ見てもらいたい。
そしてその後、今回参加している「ツール・ド・東北」が2013年より開催された。
これは、ヤフー株式会社と株式会社河北新報社が中心となり、東日本大震災の復興支援、および震災の記憶を未来に残していくことを目的とされている。
そこに第1回目から参加し、コロナ禍での中止、また職業柄、自粛したりということで、それ以外は参加をしてきたことになる。
できる限り参加を目指したのは、ボランティアとしてかかわらせてもらった、この地を見届けていくという意味もある。
走るたびに変わりゆく地に安堵し、また逆に振り返り、あの4月の風景のすごさを思い出す。
ボランティアとしては、家の中の入り込んだ泥だしを行った。家主のかた、ご親戚の方、地域の方と作業を進め、被災直後でもあるにも関わらず、私たちをねぎらってくれたり、時には笑ったり、大変重労働であったのだけれど、1日頑張ることができたのを思い出す。
そう、その休憩の時に、受け入れてくださった方々が、震災前の風景を話してくれ、そして近くに温泉があり、「落ち着いたら、温泉に来なさいね!」とお声がけしてくれたのを思い出す。
あれから11年の月日が流れた・・・。
その温泉がここだったに違いない・・・。
石巻にお邪魔するのは、ツールド東北の時ぐらい。たまたま昨年は娘と妻に、石巻の姿を見せねばと連れてきたのだが、その時もハードなスケジュールで、ゆっくりと観光することができなかった・・・。
そして今回。
前述のように、前日受付もなく、また幸い石巻市内に宿もとれ、少し時間もあることから、念願の温泉にお邪魔することにした。
ところで
今回は、家を8時半に出発し、途中車屋さんで、オイル交換を済ませ、石巻へ向かうというスケジュール。この予定で行くと、お昼1時過ぎには到着できそうだ。
まずはいつも通り、女川の岡清さんで海鮮丼を食べる。なんでここかと言うと、恩師の名前が岡田清一氏なので、なんか親近感がわくというか・・・。まぁそれだけの理由。
もう腹減って、腹減って、一気に・・・・。う、うまい。店名だけでなく、うまいんですね、毎回来るのは。
そして今回は、テラス席にしたが、外であるというのも気持ちが良い。
いつもだと、この後は、女川駅に併設している温泉でひとっぷろとなるが、今日は、念願の追分温泉へ。
ここからだと、ちょうどツールド東北のコースの下見にもなるしね。
リアス式海岸のアップダウンを進み、旧北上川沿いから、山の方へ。
そうそう、11年前は、道路も通行止めで、本部のあった石巻専修大学から、ぐるっと遠回りして、山の方から、そして旧北上川よりも小さな川の脇を通って行ったんだよなぁと。
確か?うっすらと、のぼりだったか、看板があった気がした。それで「あー温泉があるんだぁ」と思ったんだったよ・・・
どんどんと山へ
しかし、秘湯だ。車が一台しか通れない箇所がいくつか・・・。そこはゆっくりと安全運転にて。
そして到着。
古い木造校舎みたいな佇まい。そして車が多い!人気の温泉宿というのがわかる。
ここで、早速同僚へのお土産をゲットし、証拠写真撮影。なおこちら、電波圏外の模様で、あとで送ることにして。ひ、秘湯!!だな。
中に入ってまずはお支払い。
日帰り入浴が300円って驚きの金額!!上品の郷は700円だった気がする。
廊下を進み、
ノスタルジックの中へと・・・・。
温泉の中は、追分温泉などのページを見てご確認いただければと思うが、木造の湯舟、これも肌触りが良くて気持ちが良かった。
ぜひ、こちらは宿泊せねばと次の夢ができた。
大人の修学旅行と称し、自転車旅というのも良いなぁと・・・。
ゆっくりとした時間が流れる~~。
石巻の時間がまた動き始めた・・・・。あのすさまじさを忘れてはいけないのだろうが、胸の中に大切にしながら、時を刻んで行けばよいのかなぁと・・・・。
10回を一つの区切りにしていた、ツールド東北が、その時を迎えた。
幸い、11回目もあるそうだ。どんなイベントになるかわからないが、続いていくことはうれしい。
参加を継続していくのか、それとも、イベントにとらわれず、ライフワークとして石巻へ訪れる機会を設け、自分として継続していくか、今考えているところだ。少し、後者に傾いているのだけど・・・。
追分温泉につかり、ツールド東北とともに、自分としても一つの区切りがつけられた気がする。
ほんとに、大切な場所、イベントである。
感謝。